旬感・千年北海道

青函トンネルを抜けて広がる、北の9都な物語

『横山家』では見学とグルメを一緒に

『横山家』では見学とグルメを一緒に

【訪問日2013/6/14】
年代を感じさせる玄関から入ると、通路になっている土間が延々と奥まで続いているのが見えます。帳場・居間・4つの蔵の全てが屋根と通路でつながって全長80mあるそうです。正に「ウナギの寝床」ですね。最奥の4番蔵が展示場で、江戸中期以降の史料や生活用品などが所狭しと展示されています。某鑑定番組に出品したら高値が付きそうな品がいくつも混ざっていそう。家の奥まで辿り付くとそこは板でふさがれていて、隙間から覗くと国道が見えました。昭和40年代に国道工事で付近を埋め立てる前は、横山家の間際まで日本海だったそうです。海に家の一部がせり出している構造を「はり出し」と呼び、船から直接荷物を運び入れる搬入口の役目を果たしていました。
今もお住まいの横山家の8代目当主によると、江差が栄えたのは江戸中期から明治中期に至るニシン漁の北前船交易よるもので、当時は横山家のような商家が数十軒も立ち並び、まさに「江差の5月は江戸にもない」と言われる通りの繁栄振りだったそうです。ガイドのご当主が、訪れた方の出身地と北前船交易の関連性を冗談を交えながら軽妙に話してくれるため、当時の日本全国を巻き込んだ複雑な広域流通がすんなりと理解できました。
横山家を隅々まで見た後は、併設されているそば屋で伝統の「にしんそば」をいただきました。さっぱりした蕎麦と甘露煮のニシンの相性が良く、さらりとたいらげてしまいました。


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