旬感・千年北海道

青函トンネルを抜けて広がる、北の9都な物語

『江差追分全国大会』を見学して来ました

『江差追分全国大会』を見学して来ました

【訪問日:2012/9/23】
江差追分全国大会の最終日、決勝大会にお邪魔しました。開演時間に合わせて会場に到着すると、既に大勢の観客が!ステージ前の桟敷はもう座る余地がほぼ無くなっており、皆大会が始まるのを心待ちにしている様子です。  最終日のプログラムは少年大会と熟年大会の決選会から始まり、その後一般大会、結果発表という流れ。まずは少年大会から始まりましたが、どの子供たちも圧倒的な美声と堂々たる態度!子供の手習い程度なんてレベルではありません。一生懸命稽古している姿が目に浮かびます。  少年大会に続いて熟年大会が始まりました。お年を召された方々が鍛錬の成果を発揮されています。よく息が続くと思う位、朗々と続く歌声にびっくり。この江差追分は、適正な箇所以外で息継ぎをしてしまうと減点されるため、かなり長い間発声し続けなければなりません。別の機会で追分をちょこっと体験したことがあるのですが、すぐに息が途切れてしまいます。単純な肺活量勝負ではなく、何かコツがあるのでしょうね。

 後日、江差追分全国大会事務局を務めた役場の方からお話を伺うことができました。毎年上位にランクインしながら、あと一歩届かず悔し涙をのむ方。たゆまぬ努力が実って見事優勝し、大会最後にプログラムされる優勝者の唄披露で嬉し涙を流す方。それらの背後には複雑な人間模様があるそうです。なかでも第6回の優勝者で現在も江差追分会の中心的存在で活躍している青坂師匠は、第1回から優勝候補と囁かれながらも5位入賞にとどまり、悔しい日々を過ごし、奇しくもご兄弟を亡くした年の大会で、供養の気持ちを込めて唄い優勝を納めたそう。その時の情感のこもった唄声は今でも語り継がれているそうです。このように参加者それぞれに注目して大会を観覧すると、より深く江差追分を楽しむことにつながるのかもしれませんね。

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