旬感・千年北海道

青函トンネルを抜けて広がる、北の9都な物語

『矢越海岸アドベンチャーズ』で神秘的な景色に遭遇!

『矢越海岸アドベンチャーズ』で神秘的な景色に遭遇!

【訪問記:2014/6/25】
昨春に続き2回目のチャレンジ。今年から「青の洞窟」がコースに加わったと聞き、是非見てみたいと予約しました。前回は天候がいまいちでしたが、今回はどうでしょうか。イルカ遭遇に期待できる、早朝6時に知内町の小谷石(こたにいし)地区へ向かいました。すると目的地付近にだけ厚い雲がかかっています。嫌な予感がしましたが、運航自体に支障はないので予定通り出発進行!
船は去年と同じ小型船でしたが、乗客用の小型椅子が備えて付けられていました。去年は確か小さめの座布団だったような。さらに、船首近くにはスピーカーがビルトインされていました。キャプテンのガイド音声を流すのかと思っていたら、何とBGMが流れるではありませんか!それも、往路や復路、青の洞窟内など、シーンによく合うBGMです。単に乗船して観覧するだけでなく、BGM効果でノリノリ♪になること請け合いです。
船は程なく「矢越岬」に到達しました。ここは断崖絶壁の岬ですが、頂上には小さな祠があり、小谷石地区の祭礼の際はここで松前神楽が奉納されるんだそうです。と、ここまでは昨年の乗船時にも説明を受けましたが、今年からは一味違いました。キャプテンが横笛を吹き、松前神楽の音色を奏でてくれるのです。説明だけでなく、音色から体感する工夫。この趣向には驚きです。
奇岩の数々をガイドしてもらいながら船は先に進みます。すると岩場が途切れ、ちょっとした砂利地の海岸が現れました。何でも遠い昔、13世紀には本州からやって来た武士がこの海外から上陸し、知内の奥地で金を採掘したんだそうです。感慨にふけっていると、キャプテンが「あそこっ!」と声を挙げました。斜面に鹿がいて、じっとこちらを見ています。乗船した仲間は無料レンタルした双眼鏡に釘付け。キャプテンによると、鹿は比較的ポピュラーですが、時には鷹やはやぶさ、さらにヒグマも見ることができるのだそうです。矢越海岸は野生動物の宝庫でもあるんですね。
次のポイントが念願の「青の洞窟」。キャプテンからヘルメットが渡されます。海面は真っ青ですが、洞窟の奥は真っ暗で外からは何も見えません。そこに船ごと入って行くんですね。奥は意外と広いようでしたが、天井が低く今にも頭をぶつけそうです。洞窟探検をしているような感覚にとらわれます。船から照らす灯りでその青さに磨きがかかった海面を一通り楽しんだ所で、キャプテンが小さな石を一人一人に手渡してくれました。この石に願いを込め海中に投じると、願いがかなうのだそうです。参加メンバーはそれぞれ真剣に石へ念を送っていました。何をお願いしたのでしょうね。

青の洞窟から外に出たら奇跡が! 厚い雲が消えかかり、所々で陽が差し込んでいます。その様子は天上から何かが降臨しているかのようでした。皆もすっかり笑顔。
船は奇岩や鵜の営巣地などを通り過ぎつつ、タタミ岩という地点で折り返します。このあたりに来ると、雲はさらに減り、折から無風状態だったこともあって、水面が鏡のように奇岩を映し出しています。「ベタ凪ぎ」と呼ぶ状態だそうです。沖合に目を転じると、空との境目が無くなり、まるでボリビアのウユニ塩湖に来たかのよう。地球の反対側まで行かないと見れない絶景を北海道内で堪能できるとは、思ってもいなかった幸運でした。
タタミ岩からの帰り道はBGM全開で飛ばします。どこかで聞いたことのある選曲なので、気分爽快に唄いながら帰路につくのがお勧めです。
今回は残念ながらイルカを見ることはできませんでしたが、奇跡のような景色と、情景を存分に味わうことができる演出に素直に驚いた乗船でした。特に演出は去年より大幅にパワーアップしており、知内町に魅力的なアクティビティーがありますよ、と自信を持って言い切れるようになっています。皆様も「道南の秘境」にどうぞお越し下さい。

(※2014年6月に再乗船したことに伴い、説明文・訪問記・写真を更新しました。)

 

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※本ページ記載の情報は取材時点のものです。

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