旬感・千年北海道

青函トンネルを抜けて広がる、北の9都な物語

『姥神大神宮渡御祭』に実際に参加してきました

『姥神大神宮渡御祭』に実際に参加してきました

【訪問日:2013/8/10~11】
北海道で最も長く続いているというお祭りに行って来ました。このお祭りは姥神大神宮という神社の祭礼で3日間続きます。見所は山車が町内各所を巡る2日目3日目ということで、2日目のお昼頃に姥神大神宮前の広場へ着くと、絢爛豪華な山車が何台も集まり、それぞれ祭り囃子を奏で始めていました。普段は静かな広場なので、そのギャップにまず驚きです。ほとんどの山車は2階建てになっており、1階部分には小学生くらいの年齢でしょうか。子供たちが太鼓や鉦を打ち鳴らしています。2階部分には楠正成や加藤清正など偉人の人形と共に、中学生以上くらいの少年たちが”さすまた”状の棒を持ち床をドンドンと突いています。この棒は、山車が電線の下をくぐる時、山車に引っ掛からないように電線を持ち上げるためなんだそうです。そして山車の周りには中学生以上くらいの少女たちが横笛を奏でています。子供たちは年齢を重ねるごとに経験を積み、1階から2階、そして大人たちのように山車の舵をとったり、羽織を着て全体を統括するように出世してゆくシステムなんですね。

大神宮前で祭り囃子のコンクールが終わると、いよいよ大神宮の神輿を先頭に13台の山車が巡行を始めます。最初は”いにしえ街道”を通るので、何やら現代から中世にタイムスリップしたような気分になります。山車は少し進むと歩みを止め、若衆たちが街道沿いの民家に上り込んでいきます。私も知り合いがいたので一緒に入ってみると、リビングにはご馳走とお酒がたくさん並んでいました。若衆たちはその周りに立ち、”切り声”と呼ばれる民謡調の掛け声を披露します。昔盛んに行われていたニシン漁の仕事唄なんだそうです。どことなく哀愁が漂いながらも、勢いの良い気合の入る唄ですね。切り声を一通り披露し終わると、家の方からご苦労様ということでご馳走などが振る舞われます。山車は頻繁に停車するので、その度に飲み食いしていたら、あっという間にお腹一杯になっちゃいそうです。

山車はゆっくりと、でも元気良く町を巡りますが、辺りが暗くなってきた頃、狭い街路に13台の山車が集結し、歩みを止めて祭り囃子を一段と強く掻き鳴らし始めました。まるで周りの山車に負けまいとしているようです。この様子を一言で表すならば、「熱狂的」がピッタリでしょうか。余りにも勢いがあるので、カメラのピントが全然合いません。

ひとしきり(と言っても、感覚的に数時間続いたように思いますが・・・)狭い街路での祭り囃子が続いた後、山車は再び移動を始め、スタート地点の姥神大神宮に戻って来ました。これから2日目最後の行事”宿入れの儀”が始まります。広場に集まった大観衆は境内にどんどん入って行きます。本殿正面から神社入り口の鳥居に至る道を空けて、観衆は見学ポイントを確保しました。何が始まるのかと思いながら待ちます。すると、白装束の若衆たちが火を付けた松明を地面に擦りながら神社に駆け込み、その後に続いて行列の先頭を進んでいた神輿が勢い良く本殿への階段を駆け登りました。なるほど、これが”宿入れ”かと思っていると、神輿が戻って来ちゃいました。神様が神輿の勢いに満足せず、本殿の扉を開けてくれなかったということでしょうか。神輿は何度も挑戦してやっと本殿の中に入れました。松明を持った若衆も幾度となく行き来することもあり、視覚的にも聴覚的にも盛り上がる行事でした。

これでやっと2日目の行事がすべて終わりましたが、もう夜の11時近くでした。明日の3日目は違うルートを辿り、最後に江差町の繁華街で強烈に盛り上がるそうです。夜中まで。この盛り上がりを毎年繰り返す。江差の皆さんはパワフルですね。

紹介ページはこちら

Translate »